カスタマーサポート(CS)の品質を測るとき、「満足度(CSAT)」だけでは不十分です。問題が解決したか・解決にどれだけ手間がかかったか を併せて測ることで、初めて改善ポイントが見えてきます。
本記事ではCSサポート向けアンケートの設計指針と、改善アクションへの繋げ方を解説します。
サポート品質を測る3つの指標
1. CSAT(Customer Satisfaction Score)
「サポート対応に満足したか」を5段階で聞く、最もシンプルな指標。
2. CES(Customer Effort Score)
「問題解決にどれだけ手間がかかったか」を測る。解約予測力が CSAT より強い とされる。
3. 問題解決率(Resolution Rate)
「問い合わせた問題は解決しましたか?(はい/いいえ)」のシンプルな2択。
3つを組み合わせることで、
- 解決していて手間も少ない(CSAT高・CES高・解決○)→ 理想
- 解決はしたが手間がかかった(CSAT中・CES低・解決○)→ 自己解決導線の改善余地
- 解決していない(CSAT低・解決×)→ サポート体制の根本的問題
のように改善ポイントを切り分けできます。
標準設問構成(5問版)
Q1. 今回のサポート対応にどれだけ満足しましたか?(5段階)
※ CSAT
Q2. 「サポートのおかげで、私の問題は簡単に解決できた」 — この主張にどれだけ同意しますか?(5段階)
※ CES
Q3. お問い合わせの内容は解決しましたか?
○ はい、完全に解決した
○ 部分的に解決した
○ 解決しなかった
※ 問題解決率
Q4. 担当者の対応で良かった点・改善してほしい点があればお聞かせください(自由記述・任意)
Q5. その他、サポート全般へのご意見があればお聞かせください(自由記述・任意)
5問なら2分以内で完了。サポート対応直後の配信に向く。
拡張版(10問版)
問題の特性まで深掘りしたい場合の拡張版:
【Q1〜Q3 は標準版と同じ】
Q4. 問題解決までに要した時間はどのくらいでしたか?
○ 即時(5分以内)
○ 1時間以内
○ 当日中
○ 翌日以降
Q5. 問い合わせ前に、自己解決を試みましたか?
○ FAQページを見た
○ ヘルプセンターを検索した
○ 過去の自分のチケットを参照
○ 試していない
Q6. 自己解決できなかった理由を教えてください(複数可)
□ 関連情報が見つからなかった
□ 説明が分かりにくかった
□ 試してみたが解決しなかった
□ 自己解決を試そうと思わなかった
Q7. 問い合わせチャネルの利便性はいかがでしたか?(5段階)
Q8. 担当者の専門知識は十分でしたか?(5段階)
Q9. 同様の問題が今後も発生しそうな場合、最も有効な対処法は?
○ FAQ・ヘルプの改善
○ チャットボット・AI対応の強化
○ 製品自体の改善
○ サポート体制の拡充
Q10. その他のご意見(自由記述・任意)
これにより自己解決率改善のヒントも併せて得られる。
配信タイミングの設計
即時配信型(推奨)
サポート対応完了直後、チャットウィジェット内・メール本文内・サポートチケット完了画面に表示。
- 記憶が新しい → 精度が高い
- 配信タイムラグなし → 回答率が高い
後追い配信型
サポート完了から1〜3日後にメールで配信。
- メリット: 「冷静になってから」の評価が取れる
- デメリット: 開封率・回答率が下がる
両方を組み合わせる場合: 完了画面で1問(CSAT)だけ取り、後日メールで残り設問を聞く。
改善アクションへの繋げ方
1. 低スコア回答への即時対応
CSAT 1〜2 や 「解決しなかった」回答にはサポートマネージャーに自動通知を飛ばし、即時フォロー。
2. 担当者別の傾向分析
担当者別で CSAT・CES の平均を集計。特定担当者でだけ低い 場合は、研修やトレーニングの対象。
3. 問い合わせカテゴリ別の傾向
「自己解決できなかった理由」を集計し、FAQ拡充の優先順位 を決める。
4. 自己解決率の継続改善
問題解決まで要した時間が短い問い合わせは、本来 自己解決可能 だった可能性が高い。FAQ拡充の候補。
担当者へのフィードバック設計
CSサポートはモチベーションの維持が難しい仕事。アンケート結果をスタッフ評価に直結させすぎると、
- ネガティブな問い合わせを担当したくなくなる
- 「アンケートを送ってください」と顧客に懇願する
など歪みが生じます。
推奨運用
- 集団全体のスコア を主指標に
- 個人スコアは コーチング材料 として使う(ボーナス連動はしない)
- 「良い対応」の自由記述は社内表彰の材料に
やってはいけないこと
- 設問を10問以上にする: サポートを受けた直後に長いアンケートを出すと不満を増幅させる
- 満足度だけ追う: 解決率と CES がないと改善ポイントが分からない
- 担当者個人を追い詰める: 集団指標として使う
- 回答を放置する: 改善アクションがないと現場が「疲れるだけ」と感じる
まとめ
サポート品質測定の三本柱:
- CSAT で満足度
- CES で努力量
- 解決率 で結果
これらを組み合わせ、自己解決導線・FAQ・担当者スキル の3軸で改善サイクルを回すのが王道です。
レポアンの カスタマーサポート問い合わせ後アンケート テンプレートは、本記事の標準10問構成をそのまま利用可能。
サポート完了画面に埋め込み すれば即時計測が始められ、AI レポート機能(詳細)で「自己解決できなかった理由」を自由記述から自動分類。FAQ拡充の優先順位がデータドリブンで決められるようになります。CES(詳細)の同意度設問にも対応済みです。