採用面接の振り返りアンケートには、2つの異なる目的があります。
- 候補者向けアンケート: 候補者体験(CX)の改善
- 面接官向けアンケート: 採用判断と評価精度の向上
両者は別物として設計する必要があります。本記事ではそれぞれの設問構成と運用方法を解説します。
候補者向けアンケート
目的
- 採用プロセス全体の体験を測る
- 不採用通知後も「また応募したい」と思える企業ブランドを作る
- 採用広報の改善材料を集める
設問例
Q1. 当社の選考プロセス全体は満足のいくものでしたか?(5段階)
Q2. 面接官の対応はいかがでしたか?(5段階)
Q3. 仕事内容・組織についての説明は分かりやすかったですか?(5段階)
Q4. 選考結果の連絡スピードは適切でしたか?(5段階)
Q5. 当社のビジョン・カルチャーへの共感度をお聞かせください(5段階)
Q6. 選考プロセスで印象に残った点をお聞かせください(自由記述・任意)
Q7. 改善してほしい点があればお聞かせください(自由記述・任意)
Q8. 知人や同僚に当社への応募を勧めたいと思いますか?(0〜10、NPS型)
Q9. 今後の当社の選考について、ご希望があればお聞かせください
○ 別ポジションでも検討したい
○ 1年後に再応募したい
○ 当社からの将来の連絡を希望する
○ 特になし
配信タイミング
- 内定者: 内定通知後すぐ
- 不採用者: 不採用通知の翌日以降(その日は配信しない)
- 辞退者: 辞退連絡後すぐ
不採用者にも送るべき理由
- 採用プロセスの本当の課題が見えるのは 不採用者からの声
- 「応募してよかった」と感じれば、別ポジションや知人紹介につながる
- 採用広報・口コミに影響する
不採用者からの回答は内定者よりも厳しいフィードバックが多く、改善材料として価値が高い。
面接官向けアンケート
目的
- 面接判断を構造化し、感覚的な評価を排除
- 面接官同士の評価軸を揃える
- 過去の面接データを蓄積し、入社後パフォーマンスとの相関分析に使う
設問例(評価カードとして)
【候補者基本情報】
- 候補者名:
- 応募ポジション:
- 面接担当者:
- 面接日時:
【スキル評価 — 5段階】
Q1. 募集要件に対する技術スキルレベル
Q2. 募集要件に対する業務経験レベル
Q3. 専門知識の深さ・正確性
【ヒューマンスキル評価 — 5段階】
Q4. コミュニケーション能力
Q5. 論理的思考力
Q6. 主体性・自走力
Q7. 学習意欲・成長志向
【カルチャーフィット — 5段階】
Q8. 当社のミッション・ビジョンへの共感度
Q9. チームワーク・協調性
Q10. オーナーシップ
【総合評価】
Q11. 採用推奨度
○ 強く採用推奨
○ 採用推奨
○ どちらでもない
○ 採用推奨しない
○ 強く採用推奨しない
Q12. 推奨理由を具体的にお書きください(自由記述)
Q13. 懸念点・追加確認事項があればお書きください(自由記述・任意)
Q14. このポジションが合わない場合、別ポジションで検討すべきか
○ 検討すべき
○ 検討の余地あり
○ 検討不要
評価軸の標準化
5段階評価には、各点数の 行動基準(Behavioral Anchor) を予め決めておく。
例: コミュニケーション能力
- 1: 質問の意図を理解できず、回答が大きくずれる
- 2: 簡単な質問にしか答えられない
- 3: 標準的な質問・対話に問題なく対応できる
- 4: 複雑な議題でも構造的に説明できる
- 5: 議論をリードし、新しい視点を加えられる
各社の状況に合わせて言語化することで、面接官間のばらつきが大きく減る。
運用上のコツ
コツ1: 面接直後に入力
記憶が新しいうちに入力。理想は面接終了から30分以内。
コツ2: 別の面接官の評価を見る前に
他者の評価に引きずられないよう、自分の評価を確定してから他者の評価を見る運用にする。
コツ3: 採用判断会議では数字より自由記述
「平均点」で機械的に決めるのは危険。自由記述の懸念点 に基づき議論する。
コツ4: 不採用判断時にも詳細を残す
不採用にした候補者の傾向分析、再応募時の参照、別ポジションでの再検討に使う。
集計と組織改善への活かし方
候補者向けアンケート
- NPS の経時変化: 採用ブランドの強さの指標
- 「面接官の対応」の低スコア部署: 面接トレーニング対象
- 「説明の分かりやすさ」: 採用広報・JD(ジョブディスクリプション)改善の材料
面接官向けアンケート
- 入社後パフォーマンスとの相関分析: どの設問が予測力を持つか
- 面接官別の評価傾向: 厳しすぎる・甘すぎる傾向を補正
- 採用要件の再定義: スキル要件のうち、本当にパフォーマンスに効くものは何か
まとめ
採用面接アンケートは、
- 候補者向け(CX)と面接官向け(評価) は完全に分けて設計
- 不採用者にも候補者向け を必ず送る
- 行動基準(Behavioral Anchor) で評価軸を標準化
- 入社後との相関 で評価軸を継続改善
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候補者向けと面接官向けは別フォームで運用するのが基本。レポアンの組織機能 で人事部内に閲覧権限を限定したり、ファイル添付(履歴書・職務経歴書)にも対応。回答が集まれば AI レポート機能(詳細)で「面接官の対応への不満」「説明の分かりにくさ」を自由記述から自動抽出し、採用プロセス改善に直結させられます。